異なる言語を母国語とする二つの地域の人々が貿易などをきっかけに交流を始める場合、少なくとも商売や仕事に関することについてはお互いに意思疎通を図る必要が出てきます。そうした交流の中で発生し、時間をかけて定着した言語を「クレオール語」と呼びます。

 

 

クレオール語(またはクレオール言語)と位置付けられているものは世界中で分かっているだけでも30以上はあるとされています。当然こうしたものは異なる地域の人々が交流する場所を舞台としていますが、比較的日本人にも馴染みがある中ではハワイ諸島で使われている「ハワイアン・ピジン」があります。

 

これは英語をベースにしたクレオール言語で正式には「ハワイアン・クレオール・イングリッシュ」と言われていますが、「ハワイアン・ピジン」という言い方も定着しているようです。

 

紛らわしいかもしれないので、ここで「ピジン」という言葉も理解しておいた方がいいかもしれません。 ピジンとは「ピジン言語」という使い方をしますが、大ざっぱにいうとクレオール言語として定着する前段階の言語のことを指します。

 

冒頭でクレオール言語は長い時間をかけて定着したものと書きましたが、定着して言語として体系化されるまでに商売上のツールとして意思疎通に使われていたものが「ピジン言語」ということになります。

 

言語として定着し体系化される中で、どこまでが「ピジン」でどこからが「クレオール」なのかは専門的でなかなか判断が難しいようですが、言語学上ではそういう区別をしているという程度には覚えておいてもよさそうです。

 

さて、そうは言っても定着したはずのハワイ・クレオール語をなぜか「ハワイアン・ピジン」とも呼んでいるわけですが、現地では実際にどのくらい広まっているものなのでしょうか。

 

現在では「ハワイアン・ピジン」の話者は一説に60万人程度と言われており、ハワイ諸島の人口がおよそ140万ですので、実に約40%の人がある程度は使用しているということになります。

 

通常クレオール言語は限定された地域で定着するもので、「ハワイアン・ピジン」は特異であると言えるでしょうが、これはハワイ諸島の文化の独自性と島という閉鎖された地勢が関係しているのかも知れません。

 

現地での言葉をカタカナで表記するのは難しいですが、「了解」「オッケー」という意味の「shoots!(シュー!)」や、「いいね!」というニュアンスで使われる「shaka!(シャカ!)」といった掛け声は一般的に使われているようですし、プライベートな場面では昔ながらの「ハワイアン・ピジン」はまだまだ多く使われているようです。

 

過去には訛りのきついローカル英語であるとか、閉鎖された地域の邪道な英語だと蔑まれていた時期もあったと言われていますが、近年では独自に存続した貴重な言語文化として見直され始めている「ハワイアン・ピジン」。

 

民族と文化の多様性を象徴する存在としても、後世に残していって欲しいですね。

 

語学の勉強にもポケトーク!使い方解説ページへ